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変異株の新型コロナウイルスにも効果はありますか。

変異株の新型コロナウイルスにも効果はありますか。

一般論として、ウイルスは絶えず変異を起こしていくもので、小さな変異でワクチンの効果がなくなるというわけではありません。それぞれの変異株に対するワクチンの有効性がどのくらいあるのかについても、確認が進められています。

ウイルスは常に一定の頻度でその遺伝情報(新型コロナウイルスの場合はRNA)に変異を起こすものですが、現在世界中で懸念されている変異株とは、新型コロナウイルスがヒトの細胞へ侵入するために必要となるスパイクタンパク質(1,273個のアミノ酸残基で構成)の一部が変化することで、ウイルスの感染性や病原性、ワクチンの有効性等に影響を与えることが懸念されるものを指しています。

変異株に対するワクチンの効果の確認に当たっては、いくつかの方法があります。
一つは、ワクチンを接種した人の血清を用いて、血清中に存在する抗体が、ウイルスの細胞への感染をどの程度中和する(妨げる)ことができるかを測定する方法です。
ファイザー社や武田/モデルナ社のワクチンにおいては、様々な変異スパイクタンパク質に対し、ワクチンを接種した人の血清中の抗体が中和活性を有するかが確認されました。その結果、B.1.351(ベータ株。南アフリカ共和国で最初に検出され、N501YやE484K等の変異を有する系統。)への中和作用が少し弱いものの、いずれの変異に対しても一定の中和活性があることが確認されています。また、5月25日付けのWHOの報告では、B.1.351(ベータ株)に加え、P.1(ガンマ株。ブラジルで最初に検出され、N501YやE484K等の変異を有する系統。)でも、中和活性はみられるものの、少し低下する旨の報告がありました。
なお、この測定方法は実験室内で行うものですが、実際に人での感染や発症を確かめるものではなく、抗体の中和活性の低下と免疫力の関係が十分明らかになっているわけではないことから、結果の解釈に留意が必要です。

もう一つは、実際にワクチンを接種した人と接種していない人の感染や発症の状況を調べる方法です。例えばファイザー社のワクチンは、B.1.1.7(アルファ株。英国で最初に検出され、N501Y等の変異を有する系統。)ではワクチンの有効率に大きな低下は見られませんでした。B.1.351(ベータ株)やB.1.617.2(デルタ株。インドで最初に検出され、L452R等の変異を有する系統。)では、有効率が少し低下するものの、ワクチンは有効であったという報告もありました。
また、英国公衆衛生庁(PHE)が公表した、ファイザー社のワクチンを実際に接種した後の状況に基づく研究結果によると、発症予防効果に係るワクチン有効率は、B.1.1.7(アルファ株)で約94%、B.1.617.2(デルタ株)で約88%、また、デルタ株による入院を予防する効果は約96%と報告されています。
ただし、このような実臨床での観察研究等は、流行状況など別の要因が結果に影響するなど、結果に偏り(バイアス)が生じやすいことから、結果の解釈に留意が必要です。

アストラゼネカ社のワクチンについては、2回の接種が完了した被験者の血清を用いて様々な変異株に対する中和活性を測定したところ、B.1.351(ベータ株)に対する中和活性は、初期に流行したウイルス株に対する中和活性と比較して約9分の1に低下すると共に、一部の検体では中和活性が認められませんでした。また、B.1.351(ベータ株)に対するワクチン有効率が10.4%にまで低下することも確認されており、接種に当たって留意する必要があります。 一方で、英国公衆衛生庁(PHE)が公表した、実際に接種した後の状況に基づく研究結果によると、発症予防効果に係るワクチン有効率は、B.1.1.7(アルファ株)で約75%、B.1.617.2(デルタ株)で約67%、また、デルタ株による入院を予防する効果は約92%と報告されていることから、一定の防御効果を示す可能性があると考えられています。

現在、変異株に対応したワクチンの開発や臨床試験も実施されています。世界各国で様々な変異株が出現していることを踏まえると、引き続き、ワクチンの有効性に関する情報を収集していく必要があります。

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(参考資料)
変異株への有効性(第20回 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料より抜粋)
変異株に関するQ&A(厚生労働省)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連情報(国立感染症研究所)
N Engl J Med. 2021; 384:1466-1468
(Neutralizing Activity of BNT162b2-Elicited Serum)
Coronavirus disease (COVID-19) Weekly Epidemiological Update and Weekly Operational Update(WHO)
Lancet. 2021;S0140-6736(21)00947-8
(Impact and effectiveness of mRNA BNT162b2 vaccine against SARS-CoV-2 infections and COVID-19 cases, hospitalisations, and deaths following a nationwide vaccination campaign in Israel: an observational study using national surveillance data.)
N Engl J Med. 2021;10.1056
(Effectiveness of the BNT162b2 Covid-19 Vaccine against the B.1.1.7 and B.1.351 Variants.)
MedRxiv. 2021. doi: 10.1101/2021.05.22.21257658
(Effectiveness of COVID-19 vaccines against the B.1.617.2 variant.)
N Engl J Med. 2021; 384:1885-1898
(Efficacy of the ChAdOx1 nCoV-19 Covid-19 Vaccine against the B.1.351 Variant)
N Engl J Med. 2021 July
(Effectiveness of Covid-19 Vaccines against the B.1.617.2(Delta) Variant.)
Vaccines highly effective against hospitalisation from Delta variant
PMDAの審査報告書(ファイザー社のワクチン)
PMDAの審査報告書(武田/モデルナ社のワクチン)
PMDAの審査報告書(アストラゼネカ社のワクチン)
ファイザー社のプレスリリース
モデルナ社のプレスリリース

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