ファイザー社のオミクロン株対応2価ワクチン(従来株/オミクロン株BA.1)については、海外で実施された臨床試験において、従来の1価ワクチン(従来株)を3回接種した者を対象に、本ワクチンの追加(4回目)接種から1か月後のオミクロン株BA.1に対する中和抗体価(*1)と中和抗体応答率(*2)を評価したところ、従来ワクチンの追加接種に比べて、それぞれ優越性(優れていること)と非劣性(劣っていないこと)が示されたことが確認されています。
モデルナ社のオミクロン株対応2価ワクチン(従来株/オミクロン株BA.1)については、海外で実施された臨床試験において、従来の1価ワクチン(従来株)を3回接種した者を対象に、本ワクチンの追加(4回目)接種から28日後のオミクロン株BA.1に対する中和抗体価と中和抗体応答率を評価したところ、従来ワクチンの追加接種に比べて、それぞれ優越性と非劣性が示されたことが確認されています。
また、新型コロナワクチン接種後の中和抗体価と発症予防効果との相関性(※1)や、オミクロン株による新型コロナウイルス感染症に対する、従来の1価ワクチンの効果が報告されている(※2)ことから、オミクロン株対応2価ワクチンの追加接種による、一定の発症及び重症化を予防する効果が期待され、日本ではファイザー社製、モデルナ社製のどちらも令和4年(2022年)9月12日に薬事承認がなされています。
一方、ファイザー社のオミクロン株対応2価ワクチン(従来株/オミクロン株BA.4-5)については、追加接種により、従来株・デルタ株・オミクロン株に対する中和抗体価を誘導することが非臨床試験で確認されていること、モデルナ社のオミクロン株対応2価ワクチン(従来株/オミクロン株BA.4-5)については、追加接種により変異株に対する免疫原性及び感染予防効果が非臨床試験で確認されていることから、いずれもBA.5を含む変異株に対して幅広い予防効果が期待され、それぞれ同年10月5日と同年11月1日に薬事承認がなされています。
また、モデルナ社のオミクロン株対応2価ワクチン(従来株/オミクロン株BA.1、従来株/オミクロン株BA.4-5)の対象年齢について、薬事承認上、同年12月13日から、従来株の1価ワクチンによる追加接種の対象年齢拡大に合わせて12歳以上に拡大することとされました。
また、小児(5~11歳)用のオミクロン株対応2価ワクチンについては、こちらをご覧ください。
なお、厚生科学審議会において、現時点の医学的知見に基づき、従来の1価ワクチンとオミクロン株対応の2価ワクチンの免疫原性(*3)の比較から、オミクロン株対応2価ワクチンの追加接種により、従来の1価ワクチンを上回る重症化予防効果と、短期間の可能性はあるものの、オミクロン株に対する感染・発症予防効果が期待される、と判断されています。
(*1)ウイルスの感染力または毒素の活性を中和できる抗体の数値
(*2)中和抗体価がベースライン値(1回目接種前の数値)から4倍以上に上昇した被験者の数
(*3)抗体の産生や細胞性免疫を誘導する性質
(参考資料)
PMDAの審査報告書(ファイザー社のオミクロン株対応2価ワクチン(従来株/BA.1))
PMDAの審査報告書(モデルナ社のオミクロン株対応2価ワクチン(従来株/BA.1))
オミクロン株対応2価ワクチンの有効性及び安全性について(第37回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料より抜粋)
ファイザー社のオミクロン株対応2価ワクチン(従来株/BA.4-5)の評価について(第38回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料より抜粋)
モデルナ社のオミクロン株対応2価ワクチン(従来株/BA.4-5)の評価について(第40回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料より抜粋)
モデルナ社のオミクロン株対応2価ワクチンの対象年齢について(第42回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料より抜粋)
※1:Nature Med. 2021 May 17; 27: 1205-1211
(Neutralizing antibody levels are highly predictive of immune protection from symptomatic SARS-CoV-2 infection)
※2:CDC:ACIP Presentation Slides: April 20, 2022 Meeting
(COVID-19 Vaccine Effectiveness during Omicron)
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