従来のワクチンでは、高齢者は若い方に比べてワクチンの効果が劣る場合がありました。しかし、日本で承認されたファイザー社のワクチンでは、大規模な臨床試験やイスラエルの実社会での疫学研究において、高齢者に対しても9割以上の発症予防効果があることが報告されています。モデルナ社のワクチン(*)についても、海外での臨床試験において、65歳以上で約9割のワクチン有効率が報告されています。
アストラゼネカ社のワクチン(*)は、海外で実施された複数の臨床試験を併合して解析した結果から、約70%等の発症予防効果が確認されています。高齢者については、解析に含まれた例数が限られていたことから有効率は明らかではありませんが、他の年齢層と同様に、新型コロナウイルスに対する中和抗体価(ウイルスの感染力又は毒素の活性を中和できる抗体)の上昇傾向が見られたこと等から、高齢者でも有効性があると期待されています。
(*)アストラゼネカ社の新型コロナワクチン「バキスゼブリア筋注」は、令和4年(2022年)9月30日をもって、モデルナ社の従来ワクチン(1価)は、令和5年(2023年)2月11日をもって、接種が終了しました。
武田社のワクチン(ノババックス)は、海外で実施された複数の臨床試験結果から、約90%等の発症予防効果が確認されており、若年者のみならず65歳以上の年齢においても、中和抗体価の増加が確認されています。
なお、これらのデータはオミクロン株が流行する前のものであることに留意する必要があります。オミクロン株に対する有効性についてはこちらをご覧ください。
一方、副反応については、接種部位の局所の副反応も、発熱や倦怠感、頭痛などの全身性の副反応も、若年者より高齢者の方が少し頻度が低いことが報告されています。
(参考資料)
N Engl J Med. 2020; 383:2603-2615
(Safety and Efficacy of the BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine)
N Engl J Med 2021; 384:1412-1423
(BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine in a Nationwide Mass Vaccination Setting)
PMDAの審査報告書(ファイザー社のワクチン)
PMDAの審査報告書(モデルナ社のワクチン)
PMDAの審査報告書(アストラゼネカ社のワクチン)
PMDAの審査報告書(武田社のワクチン(ノババックス))
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