小児接種において令和5年9月19日までは、従来ワクチン(1価)やオミクロン株対応2価ワクチン(従来株/BA.1又はBA.4-5)が使用されていました。
小児(5~11歳)では、ファイザー社のワクチンを使用することとされており、従来ワクチン(1価)は初回接種で1回10μg(0.2mL)を、通常、3週間の間隔で2回接種します。12歳以上の接種では、1回30μg(0.3mL)を、通常、3週間の間隔で2回接種することとされていますので、5~11歳で接種する有効成分の量は、12歳以上で接種する量の3分の1になります。なお、1回目と2回目の接種間隔は12歳以上の場合と同じであり、2回目の接種は一番早くて1回目接種の19日後から接種が可能であること、3週間を超えた場合はできる限り速やかに2回目を接種することをお願いしています。追加接種での2回目と3回目の接種間隔は、3か月以上あけることとなっています。
5~11歳を対象とした臨床試験では、10μg、20μg又は30μgを投与して用量の検討が行われました。その結果、10μgの投与量でも、十分な中和抗体価の上昇と90.7%の発症予防効果が確認され、安全性や忍容性が許容可能と判断されたため、この用量で投与することとされました。
5歳と11歳では体格差が大きいことが考えられますが、年齢層毎のサブグループ(5~6歳、7~8歳、9~11歳)における中和抗体価の上昇度合いや、接種後の様々な症状の発現頻度は、グループ間で概ね同等であったことが報告されています。
また、オミクロン株対応2価ワクチンについて、小児(5~11歳)ではファイザー社ワクチンのBA.4-5対応型を初回接種と追加接種で使用します。12歳以上に対する用量が従来ワクチン(1価)と同じ1回30μg(0.3mL)で承認されたことから、5~11歳に対する用量も従来ワクチン(1価)と同じ1回10μg(0.2mL)により有効性・安全性が期待できると考えられ、この用量が設定されました。
5~11歳用のワクチンは、12歳以上で使用するワクチンとは別製剤です。これは、小児専用の製剤として濃度が調整されており(12歳以上の製剤の半分)、一回量を正確に採取することができるようになっているためです。接種会場では、12歳以上用のワクチンとの間違い接種が起こらないよう、様々な工夫をお願いしています。
なお、オミクロン株対応2価ワクチンについて、小児(6~11歳)ではモデルナ社ワクチンのBA.4-5対応型を追加接種で使用します。12歳以上に対する追加接種の用量が初回接種の半量1回25μg(0.25mL)で承認されたことから、6~11歳に対する追加接種の用量も同様に初回接種の半量1回25μg(0.25mL)により有効性・安全性が期待できると考えられ、この用量が設定されました。追加接種における接種間隔については、12歳以上と同様に6~11歳でも3か月以上あけることで有効性・安全性に特に影響はないと考えられ、この間隔が設定されました。
従来ワクチン(1価)やオミクロン株対応2価ワクチン(従来株/BA.1又はBA.4-5)による接種は、令和5年9月19日をもって終了しました。令和5年9月20日からは、ファイザー社のオミクロン株対応1価ワクチン(XBB1.5)が小児(5~11歳)を対象とした初回接種と追加接種で使用されています。接種する有効成分の量、回数や間隔は、オミクロン株対応2価ワクチン(従来株/BA.1又はBA.4-5)と同様に設定されています。
(参考資料)
小児(5~11歳)に対する新型コロナワクチンの免疫原性、安全性(第29回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料より抜粋)
PMDAの審査報告書(ファイザー社のワクチン(5~11歳用))
PMDAの審査報告書(ファイザー社のワクチン(5~11歳用(追加接種)))
PMDAの審査報告書(ファイザー社のオミクロン株対応2価ワクチン(5~11歳用(追加接種)))
PMDAの審査報告書(モデルナ社のオミクロン株対応2価ワクチン(6~11歳))
N Engl J Med. 2021; Nov
(Evaluation of the BNT162b2 Covid-19 Vaccine in Children 5 to 11 Years of Age)
ファイザー社ワクチンの添付文書(PMDAのHP)
令和5年秋冬の接種について(第50回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料より抜粋)
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