新型コロナワクチン接種後に、接種した側の脇の下や首などのリンパ節が腫れることがあります。厚生労働省が実施した、初回(1回目・2回目)接種における健康状況調査においても、例えばファイザー社のワクチン接種後に腋窩リンパ節腫大を含む反応性リンパ節腫脹が1.5%程度報告されています。なお、ワクチン接種後のリンパ節の腫れ自体は、免疫が反応しているためと考えられており、時間の経過とともに自然に治るものです。
ワクチンによるリンパ節の腫れは、一時的なものですので、乳がんによって起こりうるリンパ節の腫れとは異なるものです。乳がん検診は、ワクチン接種前に受けるか、ワクチン接種後に受ける場合は、リンパ節が腫れている原因について誤った判定がなされないよう、いつ、どちらの腕にワクチン接種を受けたか、検診医に伝えるとよいでしょう。
なお、日本乳癌検診学会は、マンモグラフィ検査はワクチン接種前に施行するか、接種後に施行する場合も、接種から4〜6週間の間隔をあけることを考慮してもよいが、必要以上に間隔をあけることは推奨しない、としています。また、米国のブレスト・イメージング学会も、ワクチン接種後の乳がん検診について、間隔をあけたスケジュールとすることを推奨しない、としています。
また、従来ワクチン(1価)による追加(3回目)接種において、初回(1回目・2回目)接種時と比較して、リンパ節の腫れの発現割合が高いこと(ファイザー社:5%程度、モデルナ社:20%程度)が、米国で実施された臨床試験の結果の中で報告されています。追加接種の副反応についてはこちらをご覧ください。
(参考資料)
日本乳癌検診学会「乳がん検診にあたっての新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応の手引き」
Acad Radiol. 2021 Aug; 28(8): 1058-1071
(Lymphadenopathy Following COVID-19 Vaccination: Imaging Findings Review)
米国のブレスト・イメージング学会のガイドライン
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