米国の疾病予防管理センター(CDC)は、他のワクチンや食べ物に対して、重いアレルギーのある方も、新型コロナワクチンの接種が可能としています。 一方、過去に新型コロナワクチン(mRNAワクチン)に対して、アナフィラキシーなど重いアレルギー反応を起こした方や、同ワクチンに含まれるポリエチレングリコール(PEG、※1)に対して重いアレルギー反応を起こしたことがある方への接種は推奨していません。PEGに似た構造を持つポリソルベート(※2)に対して重いアレルギー反応を起こしたことがある方への接種は、以前は禁忌とされていましたが、現在は、専門医による適切な評価と重度の過敏症発症時の十分な対応ができる体制のもとに限り考慮できるとされています(2021年3月3日時点)。
(※1、※2)ポリエチレングリコールは、一般に、病院で腸内検査をする際に用いる腸管洗浄剤の主成分であり、また、飲み薬や塗り薬、目薬等の添加物としても用いられます。医薬品以外では、ヘアケア製品や歯磨き粉等の医薬部外品に用いられており、保湿等を目的として化粧品にも含まれています。また、ポリソルベートは、医薬品の他、乳化剤などの食品添加物として様々な食品に用いられています。なお、こちらに記載した製品群以外の製品にも含有されている可能性があるため、ご心配の方はご使用されている製品の成分欄をご確認いただくか、身近な医療機関にご相談ください。ただし、ポリエチレングリコールやポリソルベートを含む製品が原因でアレルギー反応を起こしても、必ずしもポリエチレングリコールまたはポリソルベートがアレルギー反応の原因とは限りません。
米国では
アナフィラキシーなどの有無を観察することが推奨されています。
なお、米国において、ファイザー社の新型コロナワクチン接種後に報告されたアナフィラキシーは、2021年1月18日時点で、50例(9,943,247回中)で、100万回あたり5例となっており、74%が接種後15分以内、90%が接種後30分以内に症状が現れています。また、80%にアレルギーの既往があり、24%にはアナフィラキシーの既往があったと報告されています。また、モデルナ社の新型コロナワクチン接種後に報告されたアナフィラキシーは、2021年1月18日時点で、21例(7,581,429回中)で、100万回あたり2.8例となっており、86%が接種後15分以内、90%が接種後30分以内に症状が現れています。また、86%にアレルギーの既往があり、24%にはアナフィラキシーの既往があったと報告されています。
(参考資料)
CDC. Pfizer-BioNTech COVID-19 Vaccine Questions
CDC. Advisory Committee on Immunization Practices (ACIP) January 27, 2021
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