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小児(5~11歳)の接種では、どのような効果がありますか。

小児(5~11歳)の接種では、どのような効果がありますか。

ファイザー社のワクチンは、5~11歳の小児においても、現在の流行株であるオミクロンXBB系統に対して、中和抗体価の上昇が確認され、重症化予防効果等の向上が期待されています。モデルナ社のワクチンも6~11歳の小児において、同様の効果が期待されています。

令和5年(2023年)11月1日現在、ファイザー社のオミクロン株対応1価ワクチン(XBB.1.5)が5~11歳を対象として、初回(1回目・2回目)と追加接種(3回目以降)に使用でき、日本では令和5年9月1日に薬事承認されています。また、モデルナ社のオミクロン株対応1価ワクチン(XBB.1.5)も6~11歳を対象として、追加接種(3回目以降)及び初回(1・2回目)接種に使用でき、日本ではそれぞれ令和5年9月12日及び同年10月24日に薬事承認されています。

<オミクロン株対応1価ワクチン>
オミクロン株対応1価ワクチン(XBB.1.5)について、オミクロン株対応2価ワクチン(従来株/BA.1又はBA.4-5)の臨床試験において中和抗体価の上昇がみられ有効性が確認されていること、オミクロン株に対する有効成分を含むワクチンの非臨床試験のデータからヒトでの免疫応答について一定の予測が可能と確認されていることを踏まえ、非臨床試験における接種により、オミクロン株XBB.1.5に対する中和抗体の産生が認められたことから、一定の有効性が期待されています。またオミクロン株対応1価ワクチン(XBB.1.5)の安全性についても、従来型1価ワクチン(従来株)とオミクロン株対応2価ワクチン(従来株/BA.1又はBA.4-5)の安全性について、これまで実施された臨床試験におけるデータや接種後の副反応の発現状況等から、大きな差が無いことが確認されていることを踏まえ、既承認の製剤と基本的には同様であり、特段の懸念はないものと考えられています。以上から、ファイザー社のオミクロン株対応1価ワクチン(XBB.1.5)による初回接種と追加接種、及びモデルナ社のオミクロン株対応1価ワクチン(XBB.1.5)による追加接種について、それぞれ令和5年9月1日及び同年9月12日に薬事承認され、厚生労働省の審議会で議論した結果、予防接種法上の特例臨時接種に位置づけられ、それぞれ同年9月20日及び同年9月25日より接種が開始されています。

また、オミクロン株対応2価ワクチン(従来株/BA.1又はBA.4-5)の臨床試験において中和抗体価の上昇がみられ有効性が確認されていること、単一の年齢層の臨床試験の結果は既に承認されている製剤の他の年齢層にも外挿が可能とされていることを踏まえ、モデルナ社のオミクロン株対応1価ワクチン(XBB.1.5)の臨床試験における追加接種により、オミクロン株亜系統に対する中和抗体の産生が確認されたことから、初回接種でも免疫応答と有効性が期待できるとされ、令和5年10月24日に薬事承認され、同年11月1日より初回接種が開始されています。

なお、オミクロン株対応1価ワクチン(XBB.1.5)は、非臨床試験等においてXBB.1.5に対してこれまでのオミクロン株対応2価ワクチンよりも高い中和抗体価を誘導することや、オミクロン株対応1価ワクチン(XBB.1.5)の接種で得られる中和抗体は、現在流行の中心であるオミクロンXBB系統の亜系統であるオミクロンEG.5.1に対してもXBB.1.5と同程度に効果があることが報告されており、現在の流行株であるオミクロンXBB系統に対して、重症化予防効果はもとより、発症予防効果の向上も期待されています。

今後も、新たな知見が得られ次第、速やかにお知らせしてまいります。

<参考>

<従来ワクチン(1価)>
米国で5~11歳を対象に実施された臨床試験の結果によると、2回目の接種から1か月後の血清中の新型コロナウイルスに対する中和抗体価(ウイルスの感染力または毒素の活性を中和できる抗体の数値)や抗体応答率(抗体価がベースライン値(1回目接種前)から4倍以上に上昇した被験者の数)は、別の臨床試験で有効性が確認されている16~25歳におけるワクチン接種後の中和抗体価や抗体応答率と比較して非劣性(劣っていないこと)が示されています。すなわち、5~11歳でも、16~25歳と同程度に抗体価が上昇し、有効性が評価できるとされています(※1)。

また、中和抗体価の確認後に行われた解析において、新型コロナウイルスに感染歴の無い人を対象に、2回目接種後7日以降の発症予防効果を確認したところ、90.7%であったことが報告されています(※1)。

なお、これらのデータはオミクロン株が流行する前のものであることに留意する必要があります。

オミクロン株に対しては、現時点で得られている米国での研究結果によると、ファイザー社のワクチンにおける感染予防効果は、5~11歳では2回接種後14~82日後で31%、12~15歳では2回接種後14~149日後で59%という報告があり、一定の効果が期待されています(※2)。また、成人では、オミクロン株に対する発症予防効果や入院予防効果等が確認されており、5~11歳に対しても、同様の効果が期待されています。米国でオミクロン株流行期に5~18歳を対象に実施された研究では、ファイザー社のワクチンを2回接種完了後の入院予防効果は5~11歳で68%、12~18歳で40%であったと報告されています(※3)。
なお、シンガポールでオミクロン株流行期の5~11歳を対象に実施された研究では、ファイザー社ワクチンを2回接種した後の感染予防効果は36.8%、入院予防効果は82.7%であったと報告されています(※4)。

5~11歳の3回目接種については、海外で実施されたファイザー社ワクチンの臨床試験の結果によると、感染歴のない集団において、3回目接種から1か月後の従来株(変異前の株)に対する中和抗体価は、2回目接種から1か月後と比較して約2.2倍の上昇が認められ、さらに、3回目接種から1か月後のオミクロン株に対する中和抗体価は、2回目接種から1か月後と比較して約22倍の上昇が認められました。

また、オミクロン株流行期における他の年齢層での3回目接種による発症予防効果が報告されており(※5)、5~11歳の日本人小児に対しても、一定の有効性が期待できると判断されています。日本では令和4年(2022年)8月30日に5~11歳の3回目接種に係る薬事承認がなされています。

<オミクロン株対応2価ワクチン>
ファイザー社のオミクロン株対応2価ワクチン(従来株/BA.4-5)の小児(5~11歳)への追加接種についても、他の年齢層(12歳以上)へのBA.4-5対応2価ワクチンの追加接種による試験成績や、従来型1価ワクチンの追加接種によるこれまでの知見等から一定の有効性が期待でき、有害事象の発現傾向が従来型1価ワクチンと概ね同様であることや、海外での安全性情報に特段の懸念が認められないことから安全性は許容できると考えられ、令和5年2月28日に薬事承認がなされています。

モデルナ社のオミクロン株対応2価ワクチン(従来株/BA.4-5)の小児(6~11歳)への追加接種についても、他の年齢層(18歳以上)への2価ワクチンの追加接種による試験成績や、6~11歳への従来型1価ワクチンの追加接種による試験成績、これまでの知見等から、一定の有効性が期待でき、18歳以上において2価ワクチンの追加接種時の安全性は、1価ワクチン(従来株)の追加接種時の安全性と明確な差が認められないこと、6~11歳における1価ワクチン(従来株)の接種時の安全性の試験成績、また、製造販売後に新たな安全性の懸念は報告されていないこと等から、6~11歳における2価ワクチンの追加接種時の安全性は忍容可能とされ、令和5年8月2日に薬事承認がなされています。
ファイザー社のオミクロン株対応2価ワクチン(従来株/BA.4-5)による小児(5~11歳)への初回接種について、他の年齢層(18歳以上)へのBA.4-5対応2価ワクチンの4回目接種による中和抗体の誘導や、非臨床試験での初回接種による起源株とオミクロン株亜系統に対する中和抗体の誘導等から、一定の有効性が期待できるとされ、追加接種後の有害事象の発現状況等、これまでに得られている臨床試験成績や製造販売後の安全性情報から、2価ワクチンの安全性プロファイルはこれまでに確認されているものと同様と考えられ、現時点で新たな懸念は認められておらず安全性は許容可能とされ、令和5年8月2日に薬事承認がなされています。

*モデルナ社の従来ワクチン(1価)による接種は令和5年2月11日、ファイザー社の従来ワクチン(1価)による接種は同年9月19日をもって終了しました。また、モデルナ社のオミクロン株対応2価ワクチン(従来株/BA.1)による接種は令和5年6月14日、ファイザー社のオミクロン株対応2価ワクチン(従来株/BA.1又はBA.4-5)及びモデルナ社のオミクロン株対応2価ワクチン(従来株/BA.4-5)による接種は同年9月19日をもって終了しました。

(参考資料)
新変異株対応のコロナワクチンの評価方針について(薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会資料)
ファイザー社のオミクロン株対応1価ワクチン(XBB.1.5)の審査結果
モデルナ社のオミクロン株対応1価ワクチン(XBB.1.5)の審査結果
PMDAの審査報告書
(モデルナ社のオミクロン株対応1価ワクチン(初回免疫))
令和5年秋冬の接種について(第50回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料より抜粋)
令和5年秋冬の接種について(第51回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料より抜粋)
令和5年秋冬の接種について(第52回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料より抜粋)
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の変異株EG.5.1系統について(国立感染症研究所)
PMDAの審査報告書(ファイザー社のワクチン(5~11歳用))
PMDAの審査報告書(ファイザー社のワクチン(5~11歳用(追加接種)))
PMDAの審査報告書(ファイザー社のオミクロン株対応2価ワクチン(5~11歳用(追加接種)))
PMDAの審査報告書(モデルナ社のオミクロン株対応2価ワクチン(6~11歳))
PMDAの審査報告書(ファイザー社のオミクロン株対応2価ワクチン(初回免疫等))
小児(5~11歳)に対する新型コロナワクチンの有効性、安全性等(第29回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料より抜粋)
新型コロナワクチンの5~15歳におけるオミクロン株に対する感染予防効果等(第31回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料より抜粋)
参考:小児(5-11歳)におけるオミクロン株に対する新型コロナワクチンの感染・入院予防効果(第36回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料より抜粋)
小児用のオミクロン株対応2価ワクチンについて(第45回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料より抜粋)
オミクロン株対応2価ワクチンの初回接種等について(第48回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料より抜粋)
※1:N Engl J Med. 2021; Nov
(Evaluation of the BNT162b2 Covid-19 Vaccine in Children 5 to 11 Years of Age)
※2:CDC:Morbidity and Mortality Weekly Report (MMWR)
(Effectiveness of 2-Dose BNT162b2 (Pfizer BioNTech) mRNA Vaccine in Preventing SARS-CoV-2 Infection Among Children Aged 5-11 Years and Adolescents Aged 12-15 Years - PROTECT Cohort, July 2021-February 2022)
※3:N Engl J Med 2022; 386:1899-1909
(BNT162b2 Protection against the Omicron Variant in Children and Adolescents)
※4:N Engl J Med 2022; 387:525-532
(Effectiveness of BNT162b2 Vaccine against Omicron in Children 5 to 11 Years of Age)
※5:JAMA 2022; 327(22):2210-2219
(Association of Prior BNT162b2 COVID-19 Vaccination With Symptomatic SARS-CoV-2 Infection in Children and Adolescents During Omicron Predominance)

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