2021年11月末以降、日本を含む世界各地において、新型コロナウイルスのB.1.1.529系統の変異株(オミクロン株)の感染が報告されています。
従来の1価ワクチンにおける、オミクロン株に対する感染予防効果については、米国で18歳以上を対象に実施された研究によると、モデルナ社の従来ワクチンを2回接種後14~90日後には44.0%であったところ、その後経時的に低下していくことが確認されています。ここで、3回目接種により、接種から14~60日後には71.6%、61日後以降には47.4%となり、デルタ株より低いものの、感染予防効果が一時的に回復することが示唆されています(※1)。
オミクロン株に対する発症予防効果については、英国健康安全保障庁(UKHSA)の報告(2022年4月21日時点)によると、ファイザー社及びモデルナ社の従来ワクチン(1価)ではデルタ株より低く、2回目接種から2~4週間後は65~70%であったところ、25週間後までには15%程度に低下することが示されています。ここで、3回目接種により、その2~4週間後には発症予防効果が60~75%程度に高まり、一時的に回復することが示唆されています。ただし、20週後以降はその効果がほぼ見られなくなるまで低下したというデータもあり(※2)、効果の持続期間については、引き続き科学的知見を収集していく必要があります。
オミクロン株に対する入院予防効果については、ワクチンの種類毎に解析はなされていないものの、3回目接種から105日以降では、18~64歳で67.4~75.9%、65歳以上で85.3~86.8%というUKHSAの報告(※2)や、3回目接種後の発症予防効果や入院予防効果は、オミクロン株BA.1とBA.2に対して同様であったとの報告もあります(※3)。
小児(5~11歳)の3回目接種における、オミクロン株に対する有効性については、こちらをご覧ください。
なお、令和4年9月20日からは、オミクロン株対応2価ワクチンの接種が開始されており、3回目の接種となる12歳以上の方は、基本的に同ワクチンの接種を受けていただくことになります。詳しくはこちらをご覧ください。
(参考資料)
オミクロン株に対する新型コロナワクチンの有効性等(第31回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料より抜粋)
「オミクロン株対応ワクチン」について(第33回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料より抜粋)
※1:Nature Medicine. 2022 February
(Effectiveness of mRNA-1273 against SARS-CoV-2 Omicron and Delta variants)
※2:COVID-19 vaccine surveillance report Week 16 UK Health Security Agency 2022/4/21
※3:medRxiv. 2022; March
(COVID-19 Vaccine Effectiveness against the Omicron BA.2 variant in England)
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