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ワクチン接種後に血栓症が起きると聞いたのですが大丈夫でしょうか。

ワクチン接種後に血栓症が起きると聞いたのですが大丈夫でしょうか。

アストラゼネカ社のワクチンでは、稀に珍しいタイプの血栓症が起きるという報告がありますが、適切な診断・治療方法も報告されています。なお、ファイザー社やモデルナ社のmRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンについては、現時点において、血栓症の発症との因果関係は明らかとされていません。

アストラゼネカ社のワクチン(*)では、稀に珍しいタイプの血栓症が起きるという報告があります。

■どのくらいの頻度で起こるのですか。
これまでの報告から、頻度にばらつきはありますが、極めて稀に起こるものであり、ワクチン接種約10万~25万回に1回程度といった報告があります。ワクチン接種後1か月以内に生じ、男性に比べて女性、特に若い女性の方が頻度が高いと報告されています。一般的にみられる下肢静脈等の血栓症と比べて頻度は稀と考えられていますが、注意深く情報収集が行われています。

(*)アストラゼネカ社の新型コロナワクチン「バキスゼブリア筋注」は、令和4年(2022年)9月30日をもって、接種が終了しました。

■ファイザー社やモデルナ社のワクチン(※)でも起こるのですか。
ファイザー社のワクチンでは、接種後に同様の血栓症が起きたとして評価された事例がごく稀にあるものの、現時点においては、mRNAワクチンと、この血栓症の発症との因果関係は明らかとされていません。

(※)モデルナ社の従来ワクチン(1価)による接種は令和5年(2023年)2月11日、モデルナ社のオミクロン株対応2価ワクチン(従来株/BA.1)による接種は同年6月14日、ファイザー社の従来ワクチン(1価)及びオミクロン株対応2価ワクチン(従来株/BA.1又はBA.4-5)並びにモデルナ社のオミクロン株対応2価ワクチン(従来株/BA.4-5)による接種は同年9月19日をもって終了しました。

■もし発症しても治療はできるのでしょうか。
海外で発生した事例において、適切な診断や治療法に関する報告が増えてきました。一般的な血栓症とは治療薬などが異なることから、専門的な診断や治療が必要になります。このような血栓症が起きた際の治療法について、日本血栓止血学会、日本脳卒中学会の両学会において「血小板減少症を伴う血栓症の診断と治療の手引き」を取りまとめられています。

■どんな血栓症なのですか。
ヘパリンという薬を使った後に稀に生じる「ヘパリン起因性血小板減少症」と似ていることが報告されています。これは、血小板第4因子とヘパリンの複合体に対して、抗体ができてしまうことで、血小板の減少とともに、様々な静脈や動脈に血栓ができてしまう病気です。
一般的な血栓症は、下肢の静脈等にできることが多いですが、アストラゼネカ社のワクチン接種後に生じた血栓症は、脳の静脈やお腹の中の静脈などにも生じ、脳静脈洞の血栓症を起こした方では、脳出血も同時に起きやすくなることが報告されています。このため、早期に診断して、適切な治療を行うことが重要になります。

■その他の血栓症について情報はありますか。
アストラゼネカ社ワクチンに特徴的な血栓症以外の血栓症に関する副反応については、厚生労働省の審議会において以下のような議論がなされています。
mRNAワクチン接種後の肺塞栓症について、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の研究班による報告の層別解析において女性にシグナルが観察されたものの、米国・仏国・イスラエルによる3つの観察研究では、有意なリスク上昇は認められませんでした。これらのエビデンスに係る厚生労働省の審議会での議論を踏まえ、mRNAワクチン接種後の肺塞栓症に係る副反応疑い報告について、複数の条件でO/E(接種後の報告率/期待される発現率)解析を実施したものの、全ての解析条件で、いずれの性別及び年齢層においても、背景発現率と比較して報告頻度に統計学的に有意な上昇はみられませんでした。さらに、海外(米国・英国・EU)では、現時点でmRNAワクチン接種後の肺塞栓症について添付文書で注意喚起がなされていないこと等も踏まえ、現時点ではこの肺塞栓症について追加の安全対策措置は不要と考えられています。

(参考資料)
N Engl J Med. 2021 April, Epub
(Thrombotic Thrombocytopenia after ChAdOx1 nCov-19 Vaccination)
N Engl J Med. 2021 April, Epub
(Thrombosis and Thrombocytopenia after ChAdOx1 nCoV-19 Vaccination)
COVID-19 ワクチン接種後の血小板減少症を伴う血栓症の診断と治療の手引き・第4版(日本脳卒中学会、日本血栓止血学会)
AMED研究班による層別解析及び海外における観察研究の解析結果(第89回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第21回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会資料1-5より抜粋)
mRNAワクチン接種後の肺塞栓症のリスク解析について(第93回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和5年度第1回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会資料)

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